性的欲求低下障害

DSM-Ⅳ(302.71)より一部抜粋

A.性的空想と性的活動に対する欲求の持続的または、反復的不足(または欠如)。不足または欠
  如の判断は、臨床家が、年齢及び、その個人の生活の状況など性機能に影響する要因を考慮
  して行う。

B.その障害によって著しい苦痛が生じ、または対人関係が困難になっている。
  診断基準では上記のようになっています。

特に思春期以後は、健康な人はセックスに興味があます。正常な性欲とは、絶えずあるものでは
ないが、長い間抑えることができないものです。
性欲を低下させる要因としては、心理的苦痛、ストレスの強い出来事、加齢、過労、慢性疲労状
態、対人関係の問題、夫婦間葛藤、その他、様々な問題があります。

また、この障害は、性的興奮の障害、オルガズムの問題に関連していることが多くあります。

性嫌悪障害

DSM-Ⅳ(302.79)より一部抜粋

A.性的伴侶との性器による性的接触のすべて(またはほとんどすべて)を、持続的または反復
  的に極端に嫌悪し回避すること。

B.その障害によって著しい苦痛が生じ、または対人関係が困難になっている。

C.性機能の不全は(他の性機能不全を除く)他の第Ⅰ軸障害ではうまく説明されない。

性嫌悪障害の方は、性的機会に直面すると、不安、恐怖、または嫌悪感があると報告されていま
す。人によっては、性器の接触以外にも、キスや接触等を含むすべての性的刺激に対して嫌悪感
を持つ方おられます。

パニック発作を経験する方も、性的な状況になったときに、強い不安、驚愕感、動悸、めまい、
呼吸困難、等の経験をされる方もおられます。

対人関係では、性的状況を避けるために、早い就寝、外見に気を使わない、旅行、仕事や家事、
などに没頭するなどによって避けようとする方のおられます。

近年、男性の性嫌悪症が増加傾向にあるといわれております。
夫婦仲もよく、以前はセックスを楽しめていたのに、妻に対してのみ嫌悪してしまって、性的な
雰囲気を感じるとすぐに背を向けてしまう。

女性では、親のしつけで性に対して否定的に育てられたり、母親が男性不信であったためその影
響を受けてしまっていたり、親からの性的虐待を受けていたり、などの経験から、性嫌悪症にな
り、未完成婚になってしまう場合が多い。
また、夫婦喧嘩や夫の浮気が原因で、信じられなくなり、嫌悪するようになることもたびたびあ
ります。


『性問題の理解のために』のページもご参考にお読みください。
セックスレスの状態や問題について、認知行動モデルという方法で説明をしております。