目次
1、はじめに
2、相談の対象者-相談に来られている方々-
3、認知行動療法の対象となる性的問題行動-性犯罪の加害行為は精神疾患でもある-
・2025年の当ルームの新規相談者のデータ
4、認知行動療法とは
各ページをご参照ください
★性暴力や性犯罪加害者の再犯防止のための認知行動療法とカウンセリング(相談):対象・子供から大人
★性暴力・性犯罪の再犯防止のための認知行動療法-対象者や相談回数、費用等-
★性暴力・性犯罪の再犯防止のための認知行動療法-お申し込みの流れや意見書作成、申込み方法-

性犯罪をしてしまったことで、あなた(子供も大人も)も悩み困っているとは思います。
ただ、性犯罪・性暴力はあなただけの問題ではありません。
あなたの一回の行為で被害者の心に恐怖や不安を植え付けてしまったり(トラウマ)、被害に遭う前までは日常生活で普通にできていた行動をとれなくさせてしまいます。
それともう一つ、あなたのご家族(親、妻、子供)にも、大変な迷惑(時には引っ越しや転校を余儀なくさせられるなど)や心配をかけることになってしまいます。
また、性犯罪は精神疾患(パラフィリア症群)に分類されている問題でもあります。
まずは、早めに再犯防止と問題解決に向けて相談に行くようにしてください。
ご家族へ
子供でも大人でも性暴力・性加害問題は、『性依存』や『痴漢、盗撮等の行為に対する依存』傾向がある場合、本人の意思だけでコントロールすることが難しいことが多くあります。
また、小学生や中学生、高校生など低年齢であればあるほど、深刻な状態であることが多いため、繰り返さないようにお父さん・お母さんとともに、当ルームをはじめ専門相談機関に早々に行くようにしてください。
再犯防止のために再犯後はもちろんですが、まずは初犯後に『再犯防止のための認知行動療法』についてご家族でお話をしてください。
はじめに
当ルームでは、公認心理師である千田が20数年前より痴漢をはじめ盗撮(性的姿態等撮影罪)、不同意わいせつ罪、不同意性交等罪、その他の性暴力や性犯罪加害者の再犯防止に向けた認知行動療法を専門の一つとして行っております。
相談に来られている方々は、会社員をはじめ公務員や教諭などの各種専門職、自営業など様々な職業の方、また、小学生~高校生や大学生・大学院生、軽度の知的発達症(知的能力障害)や境界知能の子供から大人など、様々な方が個人相談に来られております。
(ご夫婦や親子で相談に来られる方もおられます)
さて、性犯罪加害者は刑罰を受けますが、全員が刑事施設や少年院に入るわけではなく、子供の場合や大人でも起訴猶予(不起訴)、罰金・科料、迷惑防止条例違反など、犯罪は犯したがその後もそのまま社会生活を営んでいる方もたくさんおられます。
刑事施設などに入られた人は、全員ではないが施設で『性犯罪再犯防止プログラム』を受けられますが、では、条例違反などで入らなくて済んだ人の性犯罪加害者の再犯防止プログラムはというと、保護観察所での5回のプログラムがあるのみです。
ただ、最近は大人の場合で『性犯罪再犯防止プログラム』を受けられていない方を対象に、5回のプロクラムを行っている自治体が少ないながらございます。
※性犯罪再犯防止の視点で考えると、性依存の度合いや偏った性の嗜好性を持っている人に対しては、5回だけの修正プログラムでは修正が難しい方もおられることも知っておいてください。
ただし、大人の初犯の方や子供で、性犯罪(性非行)をそれほどの回数を行っていない場合などでは、5回など少ない相談回数でも有効なことが多いです。
実際、当ルームでも5回程度で終了される方が何人もおられます。
加害者の方は軽く考えている(認知の歪み)かもしれませんが、例えば、『痴漢』一つとっても『痴漢』にあった被害者は、恐怖や不安など心身に重大な損傷(トラウマ)をもたらします。
性犯罪者には性の嗜好性の偏りや性依存傾向があり、そのような場合は再犯率が高いので、再犯防止プログラムや治療に取り組んでいただく必要があります。
ただ、すべての人が性依存かというとそういうわけでもありません。
性犯罪を行った背景が、性の嗜好性の偏りや性依存症ではない場合の例。
1、子供の場合では、親子関係の問題や両親の関係に問題がある家族など、家族関係の問題やストレスが発端となっている場合
2、同じく子供の場合で、受験のストレスや学校での同級生・先生との対人関係問題、そもそも学校に行くことへのストレスなどに対して、間違った発散方法として性犯罪・性暴力を始めた子供
3、会社・社会でのストレスが問題となっていて、間違った発散方法として性犯罪・性暴力を始めた大人
4、上記の1から3に該当していて、尚且つ知的発達症(知的能力障害<知的障害>)や境界知能の人、また神経発達症(ASDやADHD)を併存している人
5、社会性に問題(未熟など)がある人や、子供の時から社会不安症(社交不安症)やいじめを受けていたなど対人関係問題で悩みを抱えている人
6、その他にも様々な理由がございますが、この辺にしておきます。

相談の対象者
●起訴猶予(不起訴)、罰金・科料、執行猶予の処分など罰は受けたが、再犯しないためのコントロールできるかが不安な方やコントロールの仕方がよくわからない方
●示談は成立したが、再犯しないかが不安な方や二度とやりたくないと思っているが、コントロールの仕方がよくわからない方
●処分確定前の在宅捜査や保釈中などの方
※処分確定前の方は、気持ちの安定化や、加害行為の周りへの影響や責任などを心理師と共に考えていきます。
●刑事施設及び、保護観察所でのプログラムは受けていないため、自分をコントロールできるかが不安な方やコントロールの仕方がよくわからない方
●刑事施設で性犯罪再犯防止プログラムを受け社会に出ることはできたが、再犯しない自信が今一つない方
●保護観察所でのプログラムは受けられたがそれだけでは心配の方
●少年院を退院したが、性的問題行動を繰り返すのではないかと心配をしている本人と家族
●性暴力や性非行、性虐待で警察に補導された児童や児童相談所や少年サポートセンター(警察)などに相談に行かれた子供と家族
※児童相談所と少年サポートセンターの情報を最後に掲載しています。
●性暴力や性非行、性虐待で警察に逮捕・補導された方や、児童相談所や少年サポートセンター(警察)などに相談に行かれた軽度の知的発達症(知的能力障害<知的障害>)や境界知能の子供から大人の方とその家族
●妻(夫)のストレスや今後の心配や夫婦関係
夫(妻)が犯したことによるストレスや周りに対してのストレス、今後どのようにしていくのかなどの心配、夫婦・家族関係問題などの相談
●家族の心配
また、子供に性的問題行動が「起きるのではないか」「起こしているのではないか」と心配されているお父さん、お母さん
『性非行をしてしまった子供と子供の行為に対してショックを受けている両親』
その他、
●性的問題行動をやめていることに苦痛を感じている方や性犯罪を再犯するのではないかと不安な方
●子供も大人もですが、性犯罪にプラスして窃盗罪(万引き、ひったくり、置き引き、その他)も同時に行っている場合
●その他にもございますが、切りがないのでここまでとさせていただきます。

認知行動療法の対象となる性的問題行動
精神疾患の診断分類のDSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)の『パラフィリア症群※1』に該当するような性的問題行動(犯罪行為)を行っている子供から大人。
『窃視症(のぞき)』
『盗撮:撮影罪(性的姿態等撮影罪)』
『痴漢』
『露出』
『不同意わいせつ罪』
『不同意性交等罪』
『下着の窃盗(窃盗罪)』
『児童ポルノ』
『小児性愛』
『家庭内(兄妹間など)でのわいせつ行為(性虐待)』
それ以外にも児童虐待や性暴力、性の衝動性などの性的問題行動で悩んでいる方。
なお、これらは精神疾患に分類されますが、すべて性犯罪であります。
※1 パラフィリア症群
性の嗜好性に偏りがあるために何らかの問題が生じている状態。
2025年の当ルームの新規相談者のデータ
昨年度、性犯罪加害者で新規に相談(対面とオンラインを含む)に来られた割合です。
また、グラフは子供(~高校生)と大人(大学生以上)を含めた割合となっております。
※不同意わいせつ罪には、痴漢で不同意わいせつ罪になったケースも含めています。

大人(大学生以上)と子供(~高校生)の新規相談者の割合
グラフではなく単純に数字だけを表示させていただきました。
大人:51%
子供:27%
軽度の知的発達症(知的能力障害)、または境界知能の子供:9%
軽度の知的発達症(知的能力障害)、または境界知能の大人:8%
神経発達症(知的発達症と境界知能の併存も含む)子供~大人:5%
認知行動療法とは
ここでは簡単に説明させていただきます。
性犯罪行為や性依存の症状は、ある出来事に対して、あなたがそれをどう受け止めたか、どのような見方をしたのかなど、認知(物事のとらえ方・イメージ)の仕方によって、不適切な行動や不快な感情、身体反応などが起こると考えます。
性犯罪加害者の場合には、自分の都合よく解釈する癖や時間経過とともに癖の考え方が固まっている(スキーマ)のも事実です。このことを認知の歪みと呼んでおります。
そのような、認知(物事のとらえ方・視覚的イメージ)と行動を修正していくことで、性犯罪を起こさないようにしていく方法が認知行動療法と言われている方法です。
そして、最終的には、あなた自身が認知行動療法を用いてセルフコントロールできるようになることを目指します。
以下に参考例として、痴漢を繰り返し行っている方の認知モデルを載せております。(一つの例で、実際は一人一人違ってきます)
※認知モデルとは、『状況-認知-行動-気分-身体の状態そして、スキーマ』を用いて、性加害者の内でどのようなことが行っているかを説明する一つ方法です。
もちろん、子供と大人の違いや本人の性依存度、ストレス状況などと『盗撮』『露出』『不同意わいせつ』その他の性犯罪によっても『認知モデル』は変わります。
現在のところ、
『性犯罪の再犯防止のための認知行動療法』が問題解決方法の第一選択とされています。
『性犯罪再犯防止を目的に作られた認知行動療法の受講者は、非受講者に比べ再犯率の低下が国内外の研究によって確認されております。』
お申し込み方法等について
各ページ
★性暴力や性犯罪加害者の再犯防止のための認知行動療法とカウンセリング(相談):対象・子供から大人
★性暴力・性犯罪の再犯防止のための認知行動療法-対象者や相談回数、費用等-
★性暴力・性犯罪の再犯防止のための認知行動療法-お申し込みの流れや意見書作成、申込み方法-
ブログ:
『心理師・千田の思考:性犯罪加害者に対するCBTについての研究会を終えて、教諭の性犯罪などについて話し合った』
『心理師・千田の思考:子供と境界知能や軽度知的発達症の子供から大人の性犯罪再犯予防プログラムを行っていて思うこと』
子供の問題行動の公的相談窓口情報
こども家庭庁
こどもが抱えるさまざまな困難や子育て当事者の皆さんが悩みを相談できる窓口の情報を掲載されています。
児童相談所をはじめ地方自治体で設置している『相談窓口の情報』の掲載ページです。
少年サポートセンター(警察庁)
子供のことで悩みを抱えているご家族や悩んでいる子ども自身の少年相談窓口の全国情報が掲載されているページです。
サポートセンターは、少年の非行問題やいじめ、犯罪被害等に関する相談を受け、その立ち直りに向けた支援をしています。
参考文献
1、高橋三郎・大野裕監訳『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』医学書院 2014/6/30
2、SPLRITS:リカバリーのための性犯罪治療マニュアル 著者・安藤久美子、中澤佳奈子、佐藤道子 星和書店 2024/5/15
3、SPLRITSワークブック 著者・安藤久美子、中澤佳奈子、佐藤道子 星和書店 2024/5/15
4、平成27年版 犯罪白書~性犯罪者の実態と再犯防止~
