
目次
★当ルームが行っている認知機能強化トレーニング
★認知機能強化トレーニング方法
各ページ
★ADHDの子供の認知機能強化トレーニングの説明
★ADHDの子供の認知機能強化トレーニング・募集内容と申込方法
当ルームが行っている認知機能強化トレーニング
認知機能とは、記憶、注意、言語理解、思考、判断、問題解決、学習といった、人が情報を処理し、行動する上で必要な機能全般のことをいいます。
また、認知機能強化とは、記憶力・注意力・判断力・学習能力・問題解決能力などの「認知機能」を高めたり維持したりする取り組みのことをいいます。

認知機能を向上させる鍵
ワーキングメモリー(作業記憶)とは、短時間に情報を保持し操作する能力を指し、実行機能の重要な要素であり、日々のタスクの完了、学習、社会的交流を支えます。(1)
ADHDの人は、ワーキングメモリーの問題により、頻繁に気が散り、作業中に注意を維持することが困難になる。(2)
ワーキングメモリーの問題は、ADHDの人にとって学業、社会生活、感情管理において大きな課題となる。
ADHDの人の作業記憶を改善することは、全体的な認知機能を向上させる鍵と考えられている。(3)
※ワーキングメモリー(作業記憶)とは、単なる「記憶力」ではなく、思考や判断などの際に必要な情報を一時保存しておく記憶機能でありまた、それを使って考えたり作業したりする脳の機能のことをいいます。
ワーキングメモリーと能力の関係
ワーキングメモリーは次のような能力と深く関係しています。
◎学習能力
◎読解力
◎問題解決能力
◎集中力
◎計画を立てる力
◎仕事の遂行能力
ワーキングメモリーが大きい人ほど複雑な情報を扱いやすく、仕事や勉強を効率的に進められる傾向があります。
注意:ワーキングメモリーの働きが弱い場合
以下のような困難が生じる場合があります。
◎注意散漫になりやすい
◎指示を聞き逃しやすい、または一度に複数の指示を覚えられない
◎説明のスピードについて行けないために内容を覚えられない
◎会話中に話が逸れたり、何を話していたかを忘れたりする
◎文章を読むのに時間がかかる、読んでも内容が頭に入りにくい
◎計画を立てたり、段取り良く物事を進めたりするのが苦手
◎計算ミスが多い(特に暗算)
◎忘れ物や失くし物が多い
認知機能強化トレーニング方法
ベースの認知機能強化トレーニングとしては、『コグニティブトレーニング(コグトレ)』または、『前頭葉・実行機能プログラム(FEP)』を行っています。
併用方法として、『デュアルタスク(二重課題)トレーニング』と『ビジョントレーニング』を行っています。
コグニティブトレーニング(コグトレ)
コグトレ(Neuro-Cognitive Enhancement Training:N-COGET)とは、認知機能の強化を目的としたトレーニングのことをいいます。
トレーニングでは、『覚える』『数える』『写す』『見つける』『想像する』それぞれの認知機能強化を、たくさんの種類のプリントから個人の現状の能力に合ったものを用いて行います。
前頭葉・実行機能プログラム(FEP)
前頭葉・実行機能プログラム(FEP)は、主に統合失調症の認知機能改善療法(CRT)の1つとして開発されました。
現在は、境界知能をはじめ、神経発達症(ADHDやASD)、学習障害、気分障害(うつ病など)、衝動制御障害、犯罪者(性犯罪者も含まれる)など、認知機能の問題で困られている方の認知機能改善トレーニングの一つとしても使用されています。
前頭葉・実行機能プログラム(FEP)は、認知的柔軟性モジュール、ワーキングメモリモジュール、計画モジュールの3つの階層からなるプログラムです。
3つの階層からなるプログラムは、認知機能の下位レベルから上位レベルへと、段階的にステップアップするように構成されています。
具体的には、注意力、記憶力、計画性、問題解決能力などのスキルを強化することを目的に行います。
認知的柔軟性モジュール:注意と認知の柔軟性を高めることを目標とします。
ワーキングメモリモジュール:情報を一時的に保持・操作する能力の向上を目指します。
計画モジュール:物事を効率よく進めるための戦略を立て、実行する力の向上を目指します。

デュアルタスク(二重課題)トレーニング
2つの課題が同時に課せられるようなトレーニングのことをいいます。
特に有酸素運動と知的作業の同時トレーニングが有効であるという研究が多数あります。
例、ジョギングと計算、エアロバイクと認知機能強化トレーニングなど。
当ルームでは、ミニフィットネスバイクとコグニティブトレーニングを同時に行うトレーニングを行っております。
また、バランスボードなどを用いて運動面でのトレーニングも必要に応じて行っております。
ADHDの研究
ワーキングメモリー改善(作業記憶)に有酸素運動と知的作業の同時トレーニング(デュアルタスク(二重課題)トレーニングなど)と、球技(バスケットボールやサッカーなど)が最も効果的であることが判明したと書かれている論文記事を以下のブログに書いております。
ブログ:
『お父さん、お母さんへ。ADHDの子どものワーキングメモリー(作業記憶)に好ましい影響を与える運動について』
有酸素運動の効果
有酸素運動は脳の血流を増加させ、神経栄養因子であるBDNF(脳由来神経栄養因子)の分泌を促進することで、神経細胞の成長や神経の可塑性を高めことが分かってきています。
※神経の可塑性とは、神経系の構造や機能が経験や刺激によって変化する能力のことをいいます。
※神経の可塑性は、『学習』『記憶』『運動技能の習得』などの神経機能の基盤となっています。
研究などでデュアルタスクトレーニングで、有酸素運動と認知課題を同時に行うことで、脳の前頭前野が活性化し、注意配分能力が向上すると言われています。
※前頭前野(ぜんとうぜんや)は、「脳の最高中枢(司令塔)」と呼ばれる領域で、知性、理性、感情のコントロール、社会的行動など、高次の脳機能を一手に引き受けているところです。
前頭前野の主な働き
1、意思決定と実行機能
2、感情の制御と衝動の抑制
3、コミュニケーションと社会性
4、自己意識と客観視
5、モチベーションと注意の制御
ビジョントレーニング
視機能,視覚情報処理,目と手の協応等の視覚に関する能力を改善するために行われるトレーニングのことをいいます。認知機能強化トレーニングとしては、視機能・視覚認知に弱さがある子供に用いています。
参考文献:
1、BaddeleyA. (2012). Working memory: theories, models, and controversies. Annu. Rev. Psychol.63, 1–29. 10.1146/annurev-psych-120710-100422
2、KasperL. J.AldersonR. M.HudecK. L. (2012). Moderators of working memory deficits in children with attention-deficit/hyperactivity disorder (ADHD): a meta-analytic review. Clin. Psychol. Rev.32, 605–617. 10.1016/j.cpr.2012.07.001
3、RogersM.HwangH.ToplakM.WeissM.TannockR. (2011). Inattention, working memory, and academic achievement in adolescents referred for attention deficit/hyperactivity disorder (ADHD). Child Neuropsychol.17, 444–458. 10.1080/09297049.2010.544648
