新婚や結婚予定男性のEDなど性機能障害の実態-セックスレスや未完成婚にも影響する-
今回は、セックスレスや未完成婚などにも影響を及ぼす可能性がある、以下の研究結果とその他の関連する研究などについて書かせていただきます。
なお、※と≪千田≫と書き示しているものは、千田が説明や意見を書いております。

はじめに、
新婚または結婚予定の男性の性的機能の評価と生殖機能の現状を把握する目的の研究結果が、順天堂大学浦安病院 泌尿器科の谷口歩氏らによって、Reproductive Medicine and Biology誌2026年1月号[1]に掲載されました。
タイトル:The Actual State of Sexual Dysfunction in Newlywed Men Starting to Try for a Baby in Japan.
日本で妊娠を計画し始めた新婚男性の性機能障害の実態。
方法
2014年10月から2018年6月の間に、順天堂大学医学部附属浦安病院および関連クリニックで様々な調査を受けた男性719人で、約半数は結婚直前(3か月以内)、残りの半数は原則として結婚後1年以内の人に性機能や精液の検査を行われました。
対象の方は、一般的に健康で標準的な男性グループと見なされていた。
患者へのインタビューに基づき性機能を評価し、勃起不全、射精機能障害、性欲減退、または複数の症状を持つ人を性的機能障害と分類をしている。
患者の特徴として、年齢、体格指数(BMI)、喫煙習慣、精巣量、精液パラメータ(精液量、精子数、精子運動性を含む)、症状特異的アンケートのスコア(下部尿路症状の国際前立腺症状スコア[IPSS]、うつ病のベックうつ病目録[BDI]、男性の性健康目録[SHIM]および勃起硬さスコア[EHS]を比較)、黄体形成ホルモンなどの血液サンプルを評価している。

結果
対象者:719人/年齢:6.5歳±35.5歳/BMI:22.8±3.0kg/m2/喫煙者:113人(15.7%)
性機能障害との特定者:139人(19.3%)・約5人に1人の割合
内訳:(一部重複あり)
ED(勃起不全):88人(12.2%)/射精機能障害:66人(9.1%)/性欲低下:35人(4.9%)
年齢、BMI、BDI(ベック抑うつ質問票)スコアが性的機能障害との有意な関連があることが分かった。
年齢が高い男性、肥満傾向がある男性、うつ症状を示す男性は、不妊治療を始める前に性機能障害を経験している可能性が高いことが示された。
結論
子どもを強く望むこの世代の男性の中でも、約5人に1人(19.3%)がすでに性機能障害を示している。それらには、精神的健康の影響が大きいため、心理要因が重要な役割を果たしていることがわかったと書かれている。
驚きとして述べられているのは、9.1%の男性が射精障害(早漏と遅漏を含む)を訴えていることと、子どもを持ちたいと望み、通常なら性的なピークを迎えるはずの男性の、4.9%がすでに性欲低下を経験していることである。
この性的機能低下の要因には、失敗せずに行動しなければならないというプレッシャーに起因するうつ病や不安、加齢や肥満が含まれます。これらのグループへのケアを含む医療支援は、今後ますます必要となる可能性が高い。
≪千田≫
うつ症状というのは、そもそもエネルギーがなくなっている状態を表しているので、性機能障害が起きることはよくあることである。まずは、うつ症状を解決するために薬物療法や認知行動療法が必要になる。
当ルームにも、子供を作りたいのだが、夫がうつ病のためにセックスができない状態が続いている時に認知行動療法を希望されて来られるご夫婦がおられる。
その他の研究から
JSSM(日本性機能学会)が実施した2023年の男性性機能障害全国調査結果
EDの有病率・20〜24歳:26.6% /25〜29歳:22.0%/30〜34歳:16.4%
性的欲求が全くない、またはほとんどないと報告した割合は、
20〜24歳:21.2%/25〜29歳:14.7%/30〜34歳:15.8%
若い男性の勃起不全(ED)の発生率が高く、性欲の低下が報告されている[2]。
重要
若い世代であってもポルノ動画の頻繁な視聴が性的欲求を低下させる可能性があると推測されていたり[3]、さらに、ポルノ動画の視聴率が高いほどEDの有病率が増加することも示されています[4]。
≪千田≫
若い世代や妊活をはじめようとする世代も、インターネットやソーシャルメディアによってポルノ動画が簡単にまた、無料でも入手できる現代の環境では、過剰な性的刺激や過激な性的刺激にさらされるのが日常的で習慣化してしまうことで徐々に性的活動を減少させる可能性がある。
高校生は見ること自体いけないが、セックスカウンセリングに来られる方の中には、高校生や大学生の頃から見ていたために、妻や彼女とのセックスでは興奮(勃起)しない又は、興奮(勃起)が弱いという相談を受けたりする。
それ以外にも、強い刺激でないと勃起しなくなってきてしまっている。
過激なAVでマスターベーションに慣れてしまって、妻や彼女とのセックスが面倒に思ってしまう。などなど。
仕事の問題、高齢の親の介護、経済的な不安を感じる場合、性的欲求が低下することがあります。さらに、妻の排卵日に正確に性交を強いられる圧力や、膣内射精を期待することは、個人の精神状態をさらに不安定にする可能性があります[5,6]。
重要
排卵に合わせて計画された時間制限のある性交は、女性にストレスを引き起こすことが知られています。
また、時間制限のある性交は男性にもかなりのストレスがあり、勃起不全(ED)、射精不全(EjD)を引き起こす可能性あるために不安レベルを高めて攻撃性につながったりしてしまいます[5]。
不妊症夫婦の男性は、妊娠期には非妊娠期に比べて有意に高い『時間制限のある性交関連ストレス』を経験します。不妊症夫婦の男性にも性機能障害がよく見られる[6]。
≪千田≫
うつ症状と同様に、仕事の問題などで不安を感じていたりストレスを感じていたりすると性的欲求が低下することが度々あります。また、セックスに対するプレッシャーなどでも性的欲求が低下したり性機能障害になってしまったりします。
≪とても大切≫
セックスカウンセリングでよくあるセックスレスの相談
子供を作るうえでは大切なことではあるが、妊活や不妊症でのタイミングでは、妻の排卵日に性交し膣内射精をするわけですが、このプレッシャーとストレスが結構きつくネガティブに感じる男性がおられます。そして、何度か繰り返していくうちにセックスが子作りのためだけにあるとか、義務感からやっているように感じるようになってしまって、その後、子供は生まれたがセックスレスになってしまう男性は結構おられます。
なので、何となくプレッシャーやストレスを感じる夫婦や男性は、妊活や不妊症のタイミングなどを行う前にセックスカウンセリングで性差の違いやどのような考えでセックスを行えば、プレッシャーがなくできるのかを一度は相談されることをお勧めします。
性機能障害やセックスレスの問題で、よく『心因性』と聞くと思うのですが、心の問題かと深刻に捉える方もおられねかもしれませんが、この意味するところは「考え方や捉え方の問題ですよ」と言っているだけです。
なので、考え方を修正するためにセックスカウンセリングを受ければ多くの問題は解決いたします。
セックスレスや未完成婚など性生活問題の相談とカウンセリング

参考文献
1、The Actual State of Sexual Dysfunction in Newlywed Men Starting to Try for a Baby in Japan.
Journal:Reproductive medicine and biology. 2026 Jan-Dec;25(1);e70023.
Author:Ayumu Taniguchi, Akimasa Kure, Yuki Nagashima, Ippei Hiramatsu, Masato Shirai, Kazuhiro Kobayashi, Akira Tsujimura
2、Tsujimura A., Fukuhara S., Chiba K., et al., “Erectile Function and Sexual Activity Are Declining in the Younger Generation: Results From a National Survey in Japan,” World Journal of Men's Health 43 (2025): 239–248.
3、Pizzol D., Bertoldo A., and Foresta C., “Adolescents and Web Porn: A New Era of Sexuality,” International Journal of Adolescent Medicine and Health 28 (2016): 169–173.
4、 Jacobs T., Geysemans B., Van Hal G., et al., “Associations Between Online Pornography Consumption and Sexual Dysfunction in Young Men: Multivariate Analysis Based on an International Web‐Based Survey,” JMIR Public Health and Surveillance 7 (2021): e32542.
5、Byun J. S., Lyu S. W., Seok H. H., Kim W. J., Shim S. H., and Bak C. W., “Sexual Dysfunctions Induced by Stress of Timed Intercourse and Medical Treatment,” BJU International 111 (2013): E227.
6、 Song S. H., Kim D. S., Yoon T. K., Hong J. Y., and Shim S. H., “Sexual Function and Stress Level of Male Partners of Infertile Couples During the Fertile Period,” BJU International 117 (2016): 173–176.

