問題を理解しましょう

心理相談やカウンセリングでは、はじめに「問題を理解する」ことからはじめます。

セックスレスや未完成婚等の性生活問題の場合

はじめに、「問題・悩みの確認」と『男性性と女性性(セックスにおける性差)の説明』を行います。
後でも説明しますが、セックスを行い継続していく上で重要な知識である『セックスにおける男性性と女性性の違い』を知っておく必要があります。


その説明を『心理教育』と言いますが、『心理教育』問題解決しない場合は、当ルームでは認知行動療法で用いている「認知モデルや認知行動モデル(以後、認知行動モデルと記す)」という方法を用いて問題を理解していきます。

セックスレスと未完成婚の認知行動モデルと認知行動療法

心の問題や症状は、ある出来事に対して、あなたがそれをどう受け止めたか、どのような見方をしたのかなど、認知(物事のとらえ方・視覚的イメージ)の仕方によって、不快な感情や問題行動、身体反応などが起こると考えます。
そうした、認知(物事のとらえ方・視覚的イメージ)と行動を修正していくことで、ネガティブな気分や身体反応の解決を目指していく方法のことを『認知行動療法』と呼んでいます。
そして、最終的には、あなた自身が認知行動療法を用いてセルフコントロールできるようになることを目指します。


認知行動モデルという考え方

セックスレス(未完成婚を含む)の状態を考える場合、『うつ病』『パニック症などの不安障害』その他の精神疾患と同じように図の『認知行動モデル』に当てはめて考えます。
セックス・カウンセリング/セックス・セラピーも認知行動療法(以前は行動療法)の一つと考えられております。


上記の男性の未完成婚の図をモデルに説明しております。

『状況・環境』としては、
【前戯が終わって挿入しようとしているとき】

『認知(物事のとらえ方やイメージ)』(その瞬間にフッと頭をよぎった考えやイメージ)

【うまく挿入できなかったらどうしよう】
【萎えたらどうしよう】
【へたくそと思われないか】
このように考えが浮かんですぐに、本当に一瞬で『行動』『気分』『身体の状態・反応』に影響を及ぼすと考えています。

『行動』は、【挿入することをやめてしまう】
『気分』は、【不安】【緊張】が起こっている

その結果『身体の状態・反応』は、【ペニスが萎える】【動悸】等が起きる。

このようにネガティブな『認知』がその一瞬に働いた結果、【ペニスが萎える】という現象が起きる。


とても重要
セックスレスや未完成婚に影響を及ぼしている『スキーマ』について

図にある『スキーマ』とは、人(あなた)が蓄積してきた体験や知識の集合体のことをいいます。
もう少し簡単に言うと、固定化している考え(間違った考えや知識も含む)や【思い込み】、【先入観】【ルール(こうしないといけない等)】、【パターン化】などのことをいいます。


『スキーマ』はその瞬間に起きる『認知』『行動』に強く影響を及ぼします。

また、セックスレスや未完成婚の方はこの『スキーマ』の部分が問題となっていることが非常に多いのです。

私たちは、中学生や高校生の時に性教育を習いますが、それらは男性と女性の解剖学や生理学をもとにしたものを学びます。
では、セックスでの男性と女性の感じ方の違いやセックスにおける様々な性差などについては、一切の教育を受けずに来ているのが実情です。
なので、セックスレス状態や未完成婚の方も、性について正しい知識を学んでいないので知らなくて当然です。


ただ、悩んでいる多くの人は、どこから仕入れた(学んだ)知識かはわかりませんが、間違った知識を正しいと【思い込み『スキーマ』】思っているために、そのスキーマを元に間違ってはいるが、セックスというのはこういうものなんだという考え方をしているということです。
また、お互いに自分の性の感覚が相手も同じ感覚だろうという【思い込み『スキーマ』】
を持っているので、いくら二人で話し合っても解決をしないわけです。
例として、
『女性と男性でセックスから得られる感覚に違いはあるのか』『男性の全てではないが、多くはどうしてセックスをしなくなるのか』その他にもいろいろ違いがあることをまずは知ることが大切です。


問題解決に向けてとても重要なこと
はじめに、問題解決のためには間違った『知識』『思い込み』、『ルール』などの『スキーマ』を正すために、はじめに『男性性と女性性(セックスにおける性差)』の正しい知識を得ることが必要であるということです。

セックスカウンセリングにおいて『心理教育』が重要なのは、ここをきちんとお互いに違いを理解する事が必要だからです。

『スキーマ』が問題になるもう一つの場合

例を一つ
結婚後3年までは普通にSEXを行っていたが、夫が冗談で妻の身体の特徴を茶化すように言った後、妻がコンプレックスに思っていることだったので烈火のごとく怒り、その反応を見て夫は自分の言ったことについて丁寧に謝りその場は収まりました。
さて、その何日が後にセックスをすることになったのですが、妻の頭の中では「嫌だな」とか「夫もそんな風に思っていたんだ」「嫌だなと思っている身体を見られるのか」「何となく違和感を感じる」という考えが浮かびました。
そのような考えを持ちながら10年間我慢してきたが、我慢ができなくなったために相談に来られた方がおられました。


認知行動モデルで説明すると

上記の図を参照
『状況・環境』ネガティブなことをいわれた後の一回目のセックスの時
『認知』は、「嫌だな」「身体を見られるの嫌だな「変に思ってないだろうか」「何となく違和感を感じる」
『気分』は、【嫌悪感】【不安】
『行動』は、【腰が引ける】【自分から動かない】
『身体の状態・反応』は、【膣が濡れない】【筋緊張】
『スキーマ』この段階ではまだスキーマ作られていない(形成されていない)



先ほどの図にスキーマーが追加されることになる
「嫌だな」という『認知』を持ちながらも10年間我慢しながら行ってきた結果
『状況・環境』2回目以降(その後、10年間行っていると仮定)のセックスを求められたとき場面では
『認知』は、「嫌だな」「また、痛いのを我慢してながらやらないといけないのか」
『気分』は、【嫌悪感】【不安】【悲しさ】
『行動』は、【腰が引ける】【自分から動かない】
『身体化(身体の状態)』は、【膣が濡れない】【筋緊張】
『スキーマ』「痛いのは我慢しなければならない」「断ったら嫌われる」

この場合、始まりはコンプレックスに思っていた身体のことを夫に言われた。このことがその後にセックスをするときの『認知』影響を及ぼしていた。それを我慢し続けてSEXを繰り返し行うことで『スキーマ』にまで影響(形成)を及ぼすこととなった。


『スキーマ』は脳の長期記憶であり、固定化した考えや脳内ネットワークの固定化(ネガティブなサイクル)の問題である。(一度形成されると修正するのには時間が必要となる)
それが一瞬で今の『認知』にも影響を及ぼすことになる。

『スキーマ』は約6か月程度(早ければ3か月程度)で形成されると考えられているので、その前に相談に行くようにしていただきたい。



さて、先ほどのご夫婦は夫が協力的だったために2年6か月で問題解決しました。
もちろん、長い期間我慢してきた場合は離婚することもあります。(解決までに時間がかかるため)
この奥さんは10年間我慢しながらセックスを行ってきたために
『スキーマ』が形成されていたために問題解決に時間がかかってしまいました。
我慢した期間が長ければ長いほど解決には時間がかかってしまいます。


では、我慢しないですぐに来た場合はどうかというと、違和感を感じてから1か月~2か月ぐらいで相談に来られている夫婦・カップルを参考にすると問題解決までに1回~5回程度の回数で解決をしています。
理由は
『スキーマ』が形成される前に相談に来られたからです。


今回は一例で説明をしましたが、どのような問題でもあなたが我慢しているのであれば、早めに相談に行くようにしてください。

上記以外の問題も、認知行動モデルで説明します。

<女性側の未完成婚>や<男性側の問題からのセックスレス><不貞後のセックスレス>、その他の問題についても多くは『認知』が強く影響を及ぼします。

例えば、女性の未完成婚の場合



『状況・環境』は、『セックスをしようと誘われ始めたが、前戯を終えた後、挿入しようとしている時』

『認知』
「耐えられない痛みだったらどうしよう」
「前に触られただけで痛かった気がした(たぶんそのように感じた)」
「挿入時にとっても痛かったらどうしよう」

『気分』は、【不安と緊張】
『行動』は、【腰が引けてしまう】
『身体の状態・反応』【膣周りの筋肉が収縮】【動悸】

ここが重要ポイント
これらの多くの問題は、先ほども書いたように『セックスに関する知識が少ない』又は、『間違った知識を正しいと思っている(図のスキーマというところに該当)』ために『ネガティブな認知』が起こっているのが大半です。

なので、知識が得られると多くの男性・女性は『ネガティブな認知』が修正されます。
その結果
『行動』『気分』『身体の状態・反応』も修正されることになります。
イコール セックスができるようになるということです。
ちなみに、病院などで言われる【心因性】とは、認知行動療法で考えると『認知(スキーマを含めた認知)』『行動』の問題ということになります。

人によって様々ではありますが、他にも以下のような場合もあります。


男性EDの場合
『状況・環境』は、土曜日の夜、妻がいつものようにセックスを求めてきたとき。


『認知』
「勃起しなかったらどうしよう」
「上手くやることができないで、妻に不満をいろいろ言われたらどうしょう」


『気分』は、「不安」「あせり」「緊張」
『行動』は、疲れたからと言って先に寝る
『身体の状態・反応』は、勃起不全、動悸
『スキーマ』は、男が常にリードしないといけない


性嫌悪症の女性の場合
『状況・環境』は、夫の身勝手なセックスに嫌気がさし、過去の浮気問題などで、夫婦喧嘩が絶えない環境で、夫からセックスを求められているとき。


『認知』「嫌だな」

「結局、いつも自分勝手にセックスをするんだから頭にくる」

『気分』は、「不安」「怒り」
『行動』は、自分からは何もしないで寝ている。「頭が痛い」や「疲れている」といって避ける。
『身体の状態・反応』は、動悸、膣潤滑液不足

『スキーマ』は、私のことは理解されていない。

男性と女性との間には統計的に性差があります。

男性と女性との間には統計的に性差があります。

(すべての人がということではないことを了解してください)
ここで特に問題となるのは、男性はSEXもマスターベーションも単に性欲を満たすものと捉えております。
次に、女性は、マスターベーションは男性同様に性欲を満たすものでありますが、SEXは性欲を満たすものであり、心理的な安らぎや愛されているという安心感などとても心の安定に重要なもののひとつであります。

セックスレスの状況で女性がSEXを求めるのは、性欲を満たすということもありますが、どちらかというとこの心理的な安らぎや愛されているという安心感を求めている場合が多いのです。(愛されていないという感覚になってしまいます)
ただし、男性にはSEXから得られる心理的な安らぎというものは理解できません。感覚的にそのようなものは備わっていないといった方がいいかもしれません。男性は、心理的な安らぎは日常生活から得ているために、SEXをしないイコール妻を愛していないということにはならないのです。

もちろん、子供を生んだことでホルモンバランスが変化し女性が拒否をする場合など様々なことが起こります。あくまでも、基本的に女性と男性ではこのように性が違っているということを理解して頂ければと思います。
カウンセリングではこれらのことを踏まえて相談を行っております。

 男性女性 
SEX(二人で行う)性欲を満たすもの・性欲を満たすもの
・心理的安心感
マスターベーション 性欲を満たすもの性欲を満たすもの 
日常生活心理的安心感心理的安心感



セックス・カウンセリングやセックスセラピーとは

性の心理的側面を援助するのが、セックス・カウンセリング及び、セックス・セラピーです。
セックス・カウンセリングは、カップル/ご夫婦を対象に、性の問題、特に性機能障害に対して、認知療法/認知行動療法を中心に、行動療法技法(行動を修正)、認知療法技法(セックスや関係性の捉え方の修正)を主に用いて行います。