ストレスと自律神経バランスとカウンセリング

カウンセリングに自律神経が乱れだけでは相談に来られるかというほとんどいない。


ただ、鍼治療を行っている(千田は公認心理師で鍼灸師でもあるため)と自律神経失調症と医師に言われた方が来られたり、不定愁訴で困られている方が来られます。


不定愁訴とは、原因がよくわからないが全身のさまざまな不調を強く訴えるもの。
症状は以下のように多岐にわたる。
倦怠感/動悸/耳鳴り/食欲不振/便秘/下痢/肩こり/手足のしびれ/冷え・ほてり/頻尿/生理不順/息切れ/めまい/頭痛/不眠/その他



人はストレスを受けると脳の中枢神経系で処理・統合され脳内で様々な変化をもたらすとともに、自律神経系・内分泌系・免疫系・運動系を介して全身に様々な反応を起こします。


さて、よく「自律神経のバランスが乱れる」という言い方をよくしますが、普段は仕事を行っている時などの活動時には交感神経が働き、リラックスしている休息時には副交感神経が働いてバランスをとっています。
では「乱れる」とどうなるのか。
例えば、行動としてはソファなどに座ってくつろいでいるのに、身体の内側の自律神経は副交感神経がうまく働かないで交感神経がずっと働いている状態となっていたりします。



このような状態(交感神経がいつも働いている)が続くと、以下の図でも示しているように自律神経失調症とか不定愁訴症候群となったり、睡眠がうまく取れなくなったり、そして、さらに対処しないでいると(俗にいう「我慢」を続けていると)「うつ病」や「パニック障害」「ストレス疾患」「心身症」などの病気というレベルになってしまいます。



今の自律神経の状態を確認する方法があるのか。
心拍変動解析を用いた方法で確認することができます。
※心拍変動解析とは、心拍は不規則で、脈と脈の間隔は長くなったり短くなったりを繰り返します。 
 この感覚の揺らぎを「心拍変動」と呼ばれています。この変動は運動や食事、睡眠、ストレスなどの影響により変動します。
この変動を解析することで自律神経の状態を知ることができます。
ただし、「うつ病」とかの診断に用いることはできません。あくまでも自律神経の現在の状態を知る方法であるということです。



当ルームでは、自律神経検査を希望された方や千田が必要かなと思った方には無料とるようにしております。検査で視覚化することで客観的に自分の自律神経の状態を知ることができます。
写真の右側のパソコンが自律神経の状態を示しており、左の計器は血圧と酸素飽和度を調べるものです。



検査は5分間で、まずは座った状態(主に副交感神経が働く)で2分間、その後、起立した状態(主に交感神経が働く)で2分間、最後き座って1分間で状態を診ていきます。

以下の図はプリントアウトしてお渡ししている検査結果の例です。


この方は自律神経型が安静時健常型/健常型となっており、安静時も立位という体位変換時も自律神経が正常に働いていることを表しております。
真ん中あたりにある人影の図は左が座っている状態の自律神経の状態で黄色が交感神経、緑が副交感神経の活動状態です。次に立ち上がった時には交感神経が正常に働いているのがわかると思います。
この方は、当ルームが月に一度行っている「横浜認知行動療法研究会」のメンバーの公認心理師の方で、本人はいたって健康と言っておりました。




次の方は自律神経型が安静時交感神経過緊張/交感神経反応過剰型となっており、交感神経の緊張がいつも過剰になっていることを表しております。
真ん中あたりにある人影の図が、先ほどの方に比べて左の座っている状態の時にすでに交感神経が過剰(▲で表す)に高いのがわかります。次に立ち上がった時も交感神経が過剰に反応しているのがわかると思います。
この方は職場が変わり、その上司がとても厳しい方で常に緊張を強いられていると言っておりました。精神科での診断は「適応障害」「不眠症」となっていました。
職場の移動と14回の認知行動療法を行って終了いたしました。
ただし、今後は我慢をしないで少しでも調子がおかしいと感じたら相談に来るようには伝えました。
(この最後のアドバイスは、カウンセリングが終了するときに全員にお伝えしております)




最後の方は自律神経型が安静時副交感神経緊張/交感神経無反応型となっており、先の2つと違って、真ん中にあたりにある人影の図で立ち上がった時に黄色の交感神経が緑の副交感神経の上に突き抜けるほどの反応していないのがわかると思います。
この方は、当ルームには憂鬱な状態と無気力の状態が続いているということで精神科から紹介を受けた方です。
診断は、うつ病となっていました。
この自律神経の検査ではうつ病を診断することは出来ませんが、うつ病の方は自律神経の反応が少ない方が多いです。
この方は、12回の認知行動療法で終了しております。




皆様に知っておいてほしいのは、お仕事をされている方は「我慢」は美徳でも何でもない。
「我慢」のし過ぎはメンタルな問題を引き起こす原因となってしまうということです。



自律神経に何らかの問題が生じていると多くは「不定愁訴」として、身体のどこかに異変を感じるはずです。
その時には、国家資格である「鍼灸治療」やマッサージ師による「医療マッサージ」また、公認心理師が行う「認知行動療法」等のカウンセリングなど、すぐに対応してください。

そうすれば、病気になる前に解決ができます。

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