心理師・千田の思考:性犯罪加害者に対するCBTについての研究会を終えて、教諭の性問題を話し合った
第167回横浜認知行動療法研究会では、性犯罪加害者に対する認知行動療法の事例と方法を千田が発表をした。
今回の参加メンバーは、公認心理師、元小学校校長で公認心理師(中学校関係)、スクールカウンセラー、大学教授

今回、事例以外で話題になったのが、毎日のように報道されている『教諭の子供への性犯罪・性暴力』について。
実際に私のところにも、毎月何人かの教諭が、対面又はオンラインでのカウンセリングを受けに来られている。
一つの話題は、小児性愛者が教諭になる確率が、会社員などのビジネスパーソンになる確率より高いのか。
また、教諭になってからそのような思考や行為などが起きるのか。
当ルームも心理師から紹介を受けるている、性障害専門医療センター(SOMEC)代表の福井裕輝医師は『教職員の10%程度は小児性愛者だと予測している』
ただし、そのすべての人が問題行動を起こすわけではない。
上記のことなどを踏まえて、教科書的ではなく実際の経験としてどうなのか、学校全体や教育委員会として教諭に対する性暴力防止教育のようなものができるのかなど、今回は教育色の強いメンバーだったので話し合うことができた。
話は違うが、昨日のニュースで、こども家庭庁が子どもの性被害を未然に防ぐため、9月12日に学校や保育所などの施設に防犯カメラの設置を推奨する案を発表した。と放送されていた。

さて、もう一つの話題は、子供に対する性教育についてである。
小学校低学年からきちんと性教育をすることで、子供自身が性犯罪・性暴力から身を守ることができるのではないかと考えている。
国も令和2年6月に「性犯罪・性暴力対策強化の基本方針」が示されそれと同時に、教育委員会などでは「性教育指導の手引き(教師用)」を改訂を行っている。
一応、神奈川県の小学校低学年から中学生、高校生の内容を読ませていただきましたが、「グルーミング」(てなづける)やLGBTQ+などについても書かれていて、しっかりと性教育の時間を設けて指導すれば十分予防にはなるのではないかとは思いました。
が、このことを参加メンバーに伝えたところ、小学校や中学校では当たり障りのない程度の性教育は行われていても、私が考えているような具体的な性教育は実質出来ないのが現状であると言われた。
出来ていないどこかが反対しているから? 自治体、教育委員会、親が反対するから?
メンバーもどのレベルができないようにしているのかが、よくわからないができていないのが実情であるという。
3人の娘(成人)の子育てを終えた心理師の私としては、幼稚園から性教育をしていただき、中学生レベルでは男性性・女性性の性差、高校生ではセックスにおける性差なども、きちんと指導してほしいものだと思ってもいます。
きちんとした指導を行うことで、たとえば、性犯罪や性暴力に関連する女性に対する『認知の歪み』を持つ人が減るかもしれない。
『認知の歪み』の例、
痴漢の場合「触られているのに動かないのは気持ちいいと感じているからだ」
盗撮の場合「短いスカートを履いているということは撮ってほしいと思っているからだ」
性犯罪全体的な場合「捕まらなければ何をしても問題はない」
その他にも色々な認知の歪みがあります。
また、高校生でセックスにおける男性性・女性性など性差の指導を受けることで、『セックス・カウンセリング』に相談に来られている『セックスレスの問題』で困られている夫婦やカップルが少なくなるかもしれない。
『セックスレスの問題』でセックス・カウンセリングに来られる夫婦・カップルの多くは、男性性・女性性を理解していないことが問題の一つとなっていることが多い。
また、『未完成婚の問題』『出産後の性嫌悪症の問題』その他にもありますが、これらの問題も男性性・女性性の性差を理解していれば、二人の関係がこじれる前にセックス・カウンセリングを受けようと思われるかもしれない。

各ページ
子供から大人の性犯罪や性暴力加害者の再犯防止のための認知行動療法プログラム
セックスレスと性生活問題の相談とカウンセリング
参考資料
1、性犯罪・性暴力対策の更なる強化の方針(概要)より
令和5年3月30日
性犯罪・性暴力対策強化のための関係府省会議
2、神奈川県のホームページ
性に関する指導について