第7回SFM認知行動療法研究会を終えて

SFM/CBT研究会(SFM認知行動療法研究会)とは、千田が2015年から静岡家庭医養成プロクラムの医師・研修医や関係するコ・メディカルスタッフを対象に認知行動療法セミナーを4年間実施しております。
その後セミナー参加者の医師のみで立ち上げた研究会で、千田はスーパーバイザーとして参加しております。



静岡家庭医養成プログラム/認知行動療法研究会、略してSFM/CBT研究会(SFM認知行動療法研究会)といいます。
症例検討を中心に行っております。



さて、今回の研究会は症例検討ではなく、参加者が困っている症例について話され、それについて他の参加者及び千田が意見する流れで進みました。



最初は初めて参加される方もおられたので、
1、認知行動療法について簡単なレクチャーを千田が行いました。



2、実際の症例で困っている先生からの質問です。
『リストカットを繰り返す人への対応を含めた認知行動療法』
このケースの場合、境界性パーソナリティー障害の可能性が高かったので、精神科を紹介する必要があることと公認心理師がいるクリニックだとよりいいと思うということを話した。
ただ、このケースは経済的な理由から自費の心理療法を受けることが難しいということや、過去に2か所の精神科を受診しており医師に対してのイメージがあまりよくない。など問題もありました。

参加者で知恵を出しながら解決策を考えました。


、症例で『自閉スペクトラム症(ASD)で知的能力障害(知的発達症)はない過敏性腸症候群(IBS)に対する対応方法』についての相談がありました。
IBSに対する認知行動療法と自閉スペクトラム症(ASD)に対応する認知行動療法(ACAT)をどのように組み合わせて行うかなどの説明をさせていただきました。



4、カップル(夫婦)療法で相談される方達の相談理由や動機についての質問がありました。
これについては千田の専門でもあるので、夫婦の関係性の問題や実家との境界、不貞問題、セックス問題、その他について説明させていただきました



5、家庭医による児童精神への関わりはどこまで?
この質問に関しては、児童精神というよりも難しいケースをどうすればいいのか。
例えば、境界性パーソナリティー障害の患者さんが来られた時にはどうすればいいか。

2のリストカットの症例でも話したように、もちろん精神科にリファーする必要があり、家庭医では診ることに無理があるように思うなどお話をさせていただきました


最後は、どの程度の精神疾患や発達神経症を家庭医が診ていけばいいのか、という判断の難しい問題について参加者で討論しました。


この研究会で出される症例は、『身体疾患の問題があり精神疾患もある』というケースが多く出されるので、私自身も身体疾患について調べたりとても勉強になりバージョンアップできる研究会です。

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