第145回横浜認知行動療法研究会を終えて

日 時:2022年5月29日(日)午後2時~午後4時

内 容:1、うつ病により臥床中心の生活をしている患者さんに対して認知行動療法(以後、CBTと表記)を導入した事例

    2、「メンタルが弱い」と言う上場会社の取締役に対して行ったアドバイス
      (相談に来てメンタル(精神・心)が弱いという人たちに、必ず使うアドバイス)

発表者:1、病院・作業療法士
    2、千田 恵吾

参加者:公認心理師2名、作業療法士・1名、精神保健福祉士・1名、シニア産業カウンセラー1名

1、うつ病により臥床中心の生活をしている患者さんに対してCBTを導入した事例

討論では

50代の女性で20年間にわたってうつ病で入退院を繰り返されている方に対して、行動活性化うまく導入できている事例でした。
入院中は行動活性化によって、ある程度回復されて退院までは持っていけると考えられましたが、退院後に行動活性化だけではなく本格的に認知(自動思考とスキーマ)を修正するプロクラムに移行していかないと再発の可能性がとても高くなるであろうと考えられました。

ただし、今回の発表者の所属が単科の精神病院で退院後、通院に変わった時に外来では担当が変わりCBTが行えない可能性があるということでした。
そこで、外来で担当している心理師がいるようなので、
・CBTが行える人なのか
・行える場合は、今回の方は個別でのCBTが必要であると考えられるので個別対応は可能か。
・病院にいない場合、当ルームのように外部のカウンセリング・ルームにCBTだけをお願いできるのか。
・または、CBTが行えるクリニックに紹介することは可能なのか。

薬物療法だけでいいのか。
早い段階でCBTなどで認知を修正したり、セルフケアできるようにする必要性があったのではないか。
その他にも、この方が20年間も繰り返さないようにできる方法がなかったのか。今後取れる方法は。また、今後同じような患者さんには薬物療法とCBTをはじめから併用した方がいいのではないか。などなどたくさんの意見が出ました。

次に、

2、「メンタルが弱い」と言う上場会社の取締役に対して行ったアドバイス

「うつ病になられた方」や「ストレスから思考や身体に症状出ている方」などで、自分で「メンタルが弱い」という方がおられますが、このような方に千田がカウンセリング中に説明していることをお話しさせていただきました。
また、企業の依頼での「メンタルヘルス研修」でも必ず説明をさせていただいております。

仮にうつ病になるということは、そこまで仕事量・求められる質や対人関係で追い込まれているということです。
まして、上司に「仕事を早くかたずけろとか」「そんなこと自分で考えろ」「間に合わないじゃないかどうするんだ」などなど、必要以上にプレッシャーをかけられることで、ネガティブな思考が大きくなって結果的にうつ病になってしまう。

ちょっと話を変えて、プロアスリートの場合は、ハードな練習からアキレス腱を切ったり、疲労骨折したとします。この時に「アキレス腱が弱い」とか「骨が弱い」とは言いませんよね。
もうわかったと思いますがメンタルと言っているものもこれと同じなのです。だから「メンタルが弱い」というのはちょっと違うと思います。

プロアスリートの場合で、ハードな練習からアキレス腱を切ったり、疲労骨折したとします。
この場合、問題になるのは、指導する立場の「監督」なり「コーチ」の練習メニューに問題がなかったのか、練習後のトレーナーによるマッサージやアイシング、ストレッチ指導など十分な休息メニューを行っているか。または、行わせているか。など指導者の管理の問題が大きくなります。
なので、大谷選手が腰に違和感があった時にすぐに休ませたりしていますよね。これぐらい指導者側はプレイヤーの状態をチェックしているからプレイヤーも安心してプレイができるということです。

ビジネスパーソンも同じで、サラリーをもらっているわけなのでプロということです。
従業員が「うつ病」や「適応障害」「ストレスから思考や身体に症状出ている方」など問題があった場合。
指導する立場の「上司(リーダーから始まり係長・課長・部長・取締役・社長」が作成している仕事スケジュールに問題はないのか。部下を指導するときに科学的な指導方法(そもそもトレーニングを受けたものが上司になっているのか)で行っているのか。また、仕事がハードになれば、次の日に疲れを持ち越さないために「十分な休息メニュー」が作成されているか。また、それを行うようにスケジュールの中に組み込まれているのか。そして、上司が部下の体調を日々チェックしているか。指導者(上司)の仕事は快適に効率よく病人を出さないよう環境調整をするのが一番大切ではないかと思っております。

なので「メンタルは弱くない」ただし、ストレスを解消できる方法を個人としても持っておくことが必要である。
会社や上司は上記に書いたことを実行できるかどうかということであろうと思います。

文章化するとこんな感じになっていますが、普段のカウンセリングでは口頭で説明をさせていただいております。
時にホワイトボードを用いることもございます。

次回の研究会:2022年6月19日(日)午後2時~午後4時

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