セックスの時、挿入が怖い・痛い女性の方へ(未完成婚など性交疼痛症)


膣けいれん・ワギニスムス、性交疼痛症など診断基準がございますが、ここでは、大まかではございますが、挿入障害という名称で話を進めたいと思います。

セックスレスや挿入の問題は、セックスは二人で行う行為なのであなただけの問題ではなく、二人で解決する問題です。一人だけで悩まず、まずは二人で専門機関に相談に行っていただきたい。



当ルームに相談にこられる方は、
挿入経験がなく、挿入は「とっても痛い」「怖くて出来ない」という考えが強くあり、挿入できないで困っているカップルやご夫婦-未完成婚など-

挿入はできるが、「相手に悪いと思って、痛みを我慢している」カップルやご夫婦

挿入できていたが、ある時から痛くなってしまい、現在は挿入が出来ないでいるカップルやご夫婦

その他の理由から挿入できないで困っているカップルやご夫婦はおられると思いますが、今回は大きくこの3つの困りごとについて書かせていただきます。

①の女性は、友人や何となく外から入ってくる情報などから「初めての挿入はとても痛い」という先入観を持ってしまっている方。
また、処女膜は太鼓のように膣や膣内に膜が張っていると思っている方などなど、痛いという先入観と怖いと考えてしまうために、挿入しようとすると後ずさりをしたり、ペニスが壁に当たっているような感じがすると男性が話したり、挿入してはいないが少し膣の周りに触れただけでも痛いと言ったりと様々な方々がおられます。

②の女性は、男性に嫌われたくないと思って痛いのを我慢している方やSEXを求められればするのだが、何となく以前からセックスに対する嫌悪感をもちながら行っている方、また、痛いときもあれば痛くないときもあり、どうして痛くなるのかがわからない方。

③の女性は、夫や彼氏が浮気をしてからSEXをするのが嫌になった方や子どもを生んだ後から痛くなった方。また、ご夫婦の関係性の問題からSEXを行うことが嫌になった方も少なくありません。

なお、相談に来られるほとんどの方は、婦人科で「身体的な問題はありません」と言われた方です。ただし、怖くて検査ができなかった方もおられたりします。

身体的な問題がないので「心因性(心の問題)ですね」ということになるのですが、簡単にいうと
①の女性は、膣や挿入について間違えた知識や知らないために起きている問題」
②の女性は、間違った知識の下で間違ったやり方で行っている結果、起きている問題」
③の女性は、ネガティブな関係性になったために起きた問題」

大体この3パターンによる問題ということになります。


心因性というと「心の問題か」というように重大な問題のように思ってしまいますが、要は「考え方の問題(または、思い込み)」とその考えのもとで行った「行動の問題」で、考え方が変わって行動に変化が起きれば「あなたの問題は解決しますよ」と言っているいうことです。


こちらのページも、ぜひ参考にお読みください。
セックスレスと性生活問題の相談とカウンセリング・ページへ

相談に来られた方から頂いた『性問題の相談者の声』のページも、ぜひ参考にしてください。



セックス・カウンセリングはどのように進めるのか。

まずは、正しい情報を知る(心理教育)ここがとても大切です。
情報は、セックス・カウンセリングが専門の相談機関に行かないと知ることができないと思います。
困っている夫婦・カップルに早々にカウンセリングを受けてほしい一番大きな理由でもあります。

セックスに対してのとらえ方や挿入、痛み、恐怖などについて、個々に違いがあるので、どのような考えを持っているのかを詳しくお聞き、間違った情報や考え方をお持ちの方には正しい情報をまずはお伝えさせていただきます。
相談をしていると本人は正しいと思っていたのに、違っていたということは珍しいことではありません。


次に、行動に移す
段階的に挿入出来るように「行動課題」を行っていきます。
その時に、上手く進まないようであれば、課題を行っている時の考えなどを修正していく方法をとっています。
セックスや挿入に対して、強いネガティブな考えでない限り「行動課題」を中心に進めてまいります。



どのような行動課題を行うのか
はじめに『認知行動モデル』を用いて挿入時の痛みについて説明してまいります。
カウンセリング・ルーム内での相談もオンラインでの相談も、ホワイトボードを用いて説明しております。

 

認知行動モデルとは、「状況や環境」に対して、どのように捉えたか(考えたこと等)・イメージしているかという『認知』によって、その後『感情』や『行動』、『身体反応(身体化)』に影響を及ぼすというモデルです。
『スキーマ』とは、思い込みなどの硬い考え方のことを言います。
例えば、これはこうなんだとか、自分の知識を正しいと思い込んだりしているようなところです。


さて、例として一つの挿入障害の場合で考えてみましょう。


痛いのを我慢しながら行っている人の場合の一例
『状況』は、『夫が誘ってきたとき』や挿入しようとしている時
『認知は、「嫌だな」「また、痛いのを我慢しながらやらないといけないのか」「何となく違和感を感じるな」
『気分』は、【嫌悪感】【不安】【悲しさ】
『行動』は、【腰が引ける】【自分から動かない】
身体化(身体の状態)は、【膣が濡れない】【筋緊張】

未完成婚の場合の一例
『状況』は、『挿入しようとしている時』や『指を入れようとしている時』『膣を触れられた時』など
『認知は、「挿入がとっても痛かったらどうしよう」「耐えられない痛みだったらどうしよう」「前回行ったときに、触られただけで痛かった(たぶんそのように感じた)」「あんな太いペニスなんかはいらない」「痛くて死にそうになったらどうすればいいの」など
『気分』は、【緊張】【不安】【恐怖】など
『行動』は、足を閉じてしまう】【後ずさりする(腰を引いてしまう)】【痛いとかやめてと声を上げるなど

身体化(身体の状態)は、【膣の周りの筋肉の筋緊張】【膣が濡れない】【動悸】


このように、その一瞬で考えたりイメージした結果、膣の周りの筋肉が硬く緊張してしまい結果的に入らなかったり、痛かったりしてしまいます。
膣内自体は子どもが出てくるところでもあるので、ある程度伸縮性があり緊張しない状態では痛みもなく受け入れられるものとなっております。


他にも様々な考えやイメージを持って緊張してしまって、結果的に挿入困難な状態にあるとは思います。
個々によって違うために、全ての人の個々の考えやイメージは上げる事が出来ませんが、挿入に対してのネガティブなイメージや考えが困難を生んでいることをご理解頂ければと思います。


以下のページも参考にしてください。
『性問題の理解のために』

では、順を追ってやり方の説明してまいります。
まずは『挿入できない理由』となっているあなたの『認知(考えやイメージ)』を修正しながら同時に行動課題(やっていただくこと)を決めていきます。

では、『認知の修正』と同時進行で進む『行動課題』について書いていきます。
『認知の修正』については、個々によって全く違うので一律に説明することができないために省略しております。実際の相談での修正が必要となります。

ここで大切なことは、『行動課題をどのように行っていくのか』ということですが、個々の『認知の違い』によって変わるためにカウンセリングでの確認と説明が必要になるために、ここではこの部分の説明は省かせてもらっています。
やる課題は以下に説明させていただいていますが、やり方が個々で変わってくるということです。


①ご自分の性器に触れていただきます。
性器を触ってみたり、鏡でご自分の性器を見て頂いて特別視している考えの修正を行います。
未完成婚など痛みや恐怖感の相談に来られる方で、ご自分の性器を見たことがないという女性はたくさんおられます。

(ただし、どうしても見たくないという方もおられたりします)


②リラックスをすることの感覚をつかむ
緊張している状態では、挿入が出来ません。特別なリラクゼーションの方法もございますが、ここでは、『おしっこ』を止めるときと流している時の感覚的違いをつかんで頂きたいと思います。
『おしっこ』を止めるには、膣周辺の筋肉を緊張させないと止まりません。この状態が緊張しているという状態であることをつかんでください。次に、『おしっこ』を流している状態これがリラックスしている状態です。
このリラックスしている状態と緊張状態の違いを把握してください。課題を行う時には、このリラックスしている状態をいつでもキープするようにするのと、『おしっこ』を止めたような状態になっている時には、流している状態に変化できるようになることがとても大切です。



③カップルや夫婦一緒に行うタッチング
お互いがリラックスしてスキンシップを楽しむようにしてください。挿入が目的でない事をお互いに理解しておいてください。ここでは、リラックスをすることが目的となります。



④自分で行う挿入練習
さて、おしっこを流している状態(リラックス状態)は、十分に感覚的に理解していただけているでしょうか。
その状態で挿入の練習を行っていきます。
自分の指または、めんぼうやタンポンを利用して行います。
ただ、指とかで行うことに抵抗がある方は、挿入の練習用の商品(道具)としては「膣ダイレーター」というのがございます。
「膣ダイレーター」検索するといくつかのメーカーの商品について書かれたものが出てきます。
ネットでも購入できるようですが、ネットでの購入に不安がある方は、婦人科で医師に「挿入が怖いのでトレーニングする方法はありますか」と相談すると「膣ダイレーター」を紹介されると思います。


このようにいくつかの方法があるので、ご自分のやりやすい方法で行っていただいて結構です。
このトレーニングでは、性反応(性的気分の盛り上がり)が起こっていない状態で行うので、潤滑ゼリーやローションを使用するといいと思います。
段階的に進めてまいります。

「行動課題」の説明はとても細かく分けて書いております。
実際の相談では「ある行動課題」が出来るようであれば飛ばしたり、できないようであればより細分化したり課題を個人の状態に合わせてコントロールをしながら進めてまいりますが、ここではセックスカウンセリングでの行動課題のベーシックな進め方よりは、少し細かなことを取り入れながら段階的に説明させていただいております。

指の場合の例
まずは、
第1ステップ:小指の第一関節までを挿入します。
挿入後すぐに抜くことのないように、どちらかというとそのままの状態でリラックスできるまでとどめておきます。
(これ以後全ての課題で挿入後リラックスするまでとどめておいてください)


第2ステップ:小指の第二関節まで挿入するか。または、人差し指か中指で第一関節まで挿入します。

第3ステップ:人差し指または中指の第二関節まで挿入します。

第4ステップ:人差し指と中指の2本の指を重ねて挿入します。


⑤パートナーに行ってもらう挿入練習
ここまで来たら、今まで一人で行った課題をパートナーの指で同じように進めてまいります。
ここでの注意は、パートナーの方は女性のペースを尊重してほしいということと、決して無理じいをしない脅さないということを奥さん・彼女に約束してください。これが無いと安心して女性が課題を行うことができません。パートナーとの信頼関係が重要になってきます。
やり方としては、タッチなど自然に行っている中で課題を進める方法といつされるのかわからないという不安をお持ちの方は、まず、挿入のみの練習をするというようにどちらで行ってもかまいません。当人が望む方法を選択してください。



⑥ペニスの挿入練習
まずは、女性上位で行うのがお互いに負担なく行えると思います。女性としては、自分のペースでペニスをあてがい挿入できるので不安が軽減できます。
また、勃起していないペニスを膣にあてがって指で少し押し込む方法などもあります。
このどちらの方法も指の時同様に挿入後しばらくそのままにしてリラックスするまで待ちます。
この時に決してパートナーは腰を動かさないようにしてあげてください重要・これは必ず守ってください。


基本的な方法を書きましたが、個人差があり挿入してセックスが出来るまでに、数日の方もあれば6カ月以上かかる方もございます。



相談(オンライン・カウンセリングも含む)に来られる方は、未完成婚の年数(数カ月から5年、もっと長い方もいます)に関わらず、1カ月から3カ月位で約90%の方は解決しております。当たり前のことですが、早い段階で来ていただいた方が早く解決します。
年齢も『未完成婚の場合は』20代~50代、『未完成婚以外のセックスレスでは』20代~70代のご夫婦やカップルの方が来られております。



練習も一つ一つ段階を経て行う場合もあれば同時進行で行う場合もございます。
自分たちで行うのが難しく感じたり上手くいかない場合は、なるべく早くご相談にお越しください。
チャレンジ精神がとても大切です。


どのような心理社会的問題(うつ病や、社交不安障害、適応障害、その他)を扱う場合と同様に、セックスカウンセリングも実際は個人・カップルに合わせた問題解決方法で行ってまいります。

最後にここでは夫婦関係そのものは問題が無く、どちらかといえば仲がいいカップルを対象にしております。
夫婦やカップルの関係性までに問題が発展している場合には「夫婦やカップルの関係性の改善」を優先してまいります。


ただし、セックス課題を行うことが可能なカップルや夫婦の場合には、行動課題を進めながら関係修復を同時に行うこともしております。

より良い関係を作っていただけるきっかけになったり、
また、早々に解決するために、セックス・カウンセリングを受ける動機づけになればと思っとおります。

未完成婚の場合、結婚後3か月たっているのであれば、有無の言わずにカウンセリングを受けてください。

読んだだけでは具体的にどうすればいいのかなど、疑問に思うことがあったりすると思いますので、当ルームに一度相談にお越しいただければと思います。『来室での相談』と『オンラインでの相談』どちらでも相談できるようにしております。


解決に向けて当ルームに一度、相談にお越しください。
当ルームでは、対面相談とオンライン・カウンセリングで相談を行っております。


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以下のページもご参照ください。
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